牡蠣の生食用と加熱用の違い

殻付きの生牡蠣

 牡蠣の生食用と加熱用の違いは鮮度の違いではなく、獲れる海域の違いと減菌処理をしているかどうかです。
 産地にもよりますが「生食用」は、保健所が定めた水質基準を満たした海域(沖合い)で獲れ、滅菌洗浄をするために2〜3日間の断食をしています。

 「加熱用」は栄養濃度が高く、含有成分が豊富な海域(河口や沿岸など)で獲れ、加熱調理によって殺菌できるので、水揚げ後に水洗いされた状態ですぐに出荷されます。

 牡蠣は1日に約300リットルもの海水を吸って吐き、その成分を吸収して成長するので、河口や沿岸などで育った牡蠣にはうまみと栄養分がたっぷり詰まっています。
 一方、断食をした牡蠣は身がやせたり、うまみが少なくなることがあります。

 牡蠣の味は加熱用の方が濃くて美味しい場合が多く、生の魚介類を食べないフランス人も牡蠣だけは生で食べるらしいのですが、加熱用の牡蠣は絶対に生で食べてはいけません(半生も厳禁)。

 生ぐささが気になる場合は、大根おろしや片栗粉で軽くもむように洗って水で流せば、くさみはほとんど感じなくなります。

牡蠣料理の定番カキフライ。
 身がやせることなくふっくら揚げるコツは、パン粉をしっかりつけることです。
 とんかつのように小麦粉・卵・パン粉ではなく、小麦粉・卵・牛乳のぼってりとした衣にたっぷりくぐらせてからパン粉をつけます。
 しっかりとパン粉をつけることで水分が外に逃げることなく揚がるので、衣はサクッと、牡蠣はジューシーな味わいになります。