制作物に合った写真を撮るために、暖かい感じで、無機質に、高級感を出してなどの指示がでます。
人それぞれイメージに若干の違いはあっても、王道とも言える雰囲気作りには共通したものがあります。
この写真は、地元で長年愛されているアップルパイのお店の暖かみや、歴史、雰囲気を演出しました。
お店の写真や商品も大切ですが、イメージ写真もお店の空気感を表現する重要なアイテムです。
実際にお店に出向き、パイに使われている林檎やバターの話を伺って得たイメージをコーディネートしました。
ビーカーやカルバドスの瓶、粉のついたままのめん棒は、ほとんどが実際に現場で使われている品々です。
背景にはパイと一緒に何回もオーブンで焼かれてきた、『取り板』と呼ばれる木の板を拝借しました。
取り板の茶色にはペンキにはない、味わい深さや傷があります。
紅玉林檎の艶と相まって、素敵な脇役になってくれました。
この取り板はオーナーのご好意で譲っていただき、その後のスタジオワークでも大活躍しています。
取り板に染み込んだバターの香りを嗅ぐたびにこの写真のことを思い出すのは、ただただ食いしん坊なだけかもしれません、、、。